2023.09.04
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産業用CTの使用用途
産業用CTの使用用途
産業用のX線CT(コンピュータ断層撮影, Computed Tomography)は、製品の品質管理や製品開発において非破壊検査(Non-Destructive Testing, NDT)として広く使用されています。
自動車、航空宇宙、エネルギー、電子機器などの製造業において、例えば、鋳造部品や溶接部の内部欠陥の検出、製品内部の異物検査、組立部品の幾何寸法測定などを行うことができます。
製造業では、新製品の開発段階から製品の品質管理において重要な役割を果たすことが多く、設計の検証、試作品の評価、製品の耐久性や信頼性の調査などにも利用されます。
近年では、ハイブリッド車や電気自動車に搭載される電池の試作品の評価や構造解析を行う事例や、マイクロフォーカスX線CTやナノフォーカスX線CTを用いた電子基板の詳細な解析や不具合調査などを行う事例が増えています。
また、被写体の3次元形状情報が得られるという特徴を利用した製品のリバースエンジニアリング(Reverse Engineering)や3次元計測にも使用されています。
複雑な内部形状をもつ製品や部品を非破壊的にスキャニングすることで、高精度な3Dモデルを生成することが可能となり、CADデータとの比較を行うことができます。
その他、カーボン繊維強化プラスチック(CFRP)の繊維配向解析、発泡体のフォーム構造解析、考古学での仏像の内部のスキャニング、魚をはじめとする生物の骨格のデータ化など、幅広い分野でCTの利用が進んでいます。